すずらん健康館の考え方
集団の中で生活し、勉強し、新しいことに出会っていく学校生活。
そして、子供たちは、成長の真っただ中。
日々、身体も心も変化しています。
学校に行きたいのに朝起きられない、あるいは様々な理由で、行きたいけど行けない場合は心よりも体に問題があることが大半です。
体調が悪いときに、前向きな気持ちになることはできません。
体調が悪いから、朝起きることができないのに、周りが「なまけている」というような判断をしてしまうと、本人は精神状態が不安になり、増々体調が悪くなります。
心の問題を解決することも必要ですが、子供の場合は体の問題が先にあると思って対応してあげていただきたいです。
不登校・ひきこもりにつながりやすい原因
起立性低血圧・起立性調節障害
不登校につながりやすい状態として、起立性低血圧や起立性調節障害があります。
血圧を調節するのは自律神経ですが、思春期は自律神経が不安定ですので、血圧も不安定になります。
寝ているときの血圧に比べて立ったときの血圧が20㎎以上 下がってしまうものを起立性低血圧や起立性調節障害といいます。
寝ているときの血圧がすでに低い、いわゆる本来の低血圧(本態性低血圧)のこともあります。
寝て測った血圧が110以下なら、血圧が低めといえます。
寝ているときは平面ですので、血液は頭の先から足の先まで均等に流れやすくなっています。ところが立ち上がったり座ったりすると重力の関係で、血液は下半身に滞りやすくなります。それを上半身に引き上げるのが心臓のポンプ力であり血圧なのです。
立ったときの血圧が寝ているときに比べて大きく下がってしまったり、もともとの血圧が低いと、上半身にうまく血が巡ってこないことになるため、肩がこる、目が疲れる、耳鳴りがする、めまいがする、ふらつく、頭が重い、頭が痛いなど上半身の症状がおきやすくなります。
しかも この症状は朝起きてすぐや午前中に出やすいです。というのはいくら血圧が低くても、動いているうちに循環してきて症状がましになってきたり、夕方になると元気になってきたりするからです。
お風呂に入ったあとも循環がよくなるので、元気になる場合もあります。 朝からお風呂に入るのもいいでしょう。
温灸は簡単にいつでも出来るので、是非お使いください。 体がしっかり温まり、血流が良くなります。
「朝は全く起きられないのに、夕方になると元気になる」という場合は、起立性低血圧や起立性調節障害である可能性が高いです。
朝、なまけているわけではないのです。動きたくても血液がしっかりと循環しないために、動けないのです。
また上半身に限らず体の隅々にも血液が届かないので、疲れやすい、冷える、胃腸が弱い、むくみやすい、お腹が痛くなる、といった全身症状も出やすいです。
病院では起立性低血圧の治療にリズミックやメトリジンなど血圧を上げる薬が処方されることもありますが、なかなかこれだけでは症状が好転しないこともあります。
やはり体が根本的に変わっているわけではないからでしょう。お勧めの漢方は病院の薬とも併用できますので、一緒にお使いになっても構いません。
アレルギー
不登校や朝起きられない人は、アレルギー体質の人も多く見られます。
鼻水が出る、鼻がつまる、咳が出る、皮膚がかゆい、など一般的なアレルギー症状ももちろんありますが、下痢しやすい、胃やお腹が痛くなる、目が腫れる、唇が腫れる、などもアレルギーと関係します。
アレルギーの多くは様々な粘膜で過敏症状をおこすため、鼻、のど、皮膚、気管支、胃、腸で症状が出やすいのです。
貧血
近年の初潮は、10歳〜14歳です。個人差があります。
そして、身体も一段と成長し大きくなる時期です。
貧血の中でも多いのが、「鉄欠乏性貧血」です。
骨・筋肉・皮膚・ホルモンなど、身体をつくる材料の中で大きな役割を果たすのが「鉄」です。
赤血球には鉄が含まれいて、その鉄に酸素がくっついて全身に運ばれます。
人間の細胞は、酸素がないとエネルギーがつくれません。
成長期で身体はどんどん大きくなるのに、生理で血液が失われていきますので、生理がある女子は、ほとんどが「鉄不足」です。
血液検査をして問題がないと言われても、「かくれ貧血」といって、貯蔵している「鉄」が不足しているだけでも、さまざまな症状がでます。
女の子だけでなく、男の子にも貧血がみられる場合があります。
それは、妊娠中お母さんが、ひどい貧血だった場合です。
赤ちゃんは本来、多血で生まれますが、貧血がひどいお母さんから産まれた赤ちゃんは十分な量の血がありません。
赤ちゃんはどんどん成長しますから常に鉄分が不足している状態になります。
貧血があると、各細胞はエネルギーをつくることができませんから、倦怠感・めまい・立ちくらみ、動悸などが起こりやすくなります。
また、鉄は脳神経や神経伝達物質の材料ともなるため、貧血は発育障害、情緒不安定、うつ状態、胃液十分分泌されずに食べたものが消化吸収できないということも起こります。
前に書いた、起立性低血圧・起立性調節障害も貧血があると増々症状が悪化します。
皮膚や粘膜をつくる材料にもなりますから、貧血だとアレルギー反応も起こりやすくなります。
脳内の細胞もエネルギーをつくれなくなり、脳細胞が働きません。
貧血が原因で、不登校になっている場合もあるのです。
脳の血流障害
しょっちゅう頭が痛くなるという人も多いです。
これは脳血流が悪いためですし、脳の働きが悪くなるために睡眠障害や集中できない、物が覚えにくい、イライラするといった症状も出やすく、ひどくなると暴言を吐いたり、暴れたりします。チック症状が出る人もあります。
でも体の中が変わっていくとまるで性格も変わったようになり、集中できるようになって、成績が上がったという人も少なくありません。子供さん自身が「以前より勉強が頭にはいるようになった」とお母様に話した例もあります。
心よりも体や脳を元気にしていくことがとても大切です。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群という病気がありますが、多くが低血圧で、それに加えて自律神経が不安定でアレルギーを持っている人が多いため、不登校になる人と似ているように思われます。(過敏性腸症候群のページをご覧ください)
低血糖症・血糖値スパイク
食事も不登校や朝起きられない原因のひとつです。
不登校や引きこもりの人達に聞いてみると、アイス、チョコ、などの甘いものやスナック菓子を食べている量が多いです。
さらに、飲み物は「ジュース」「エナジードリンク」「炭酸飲料」。
この食生活は、とても体に負担がかかります。
甘いものを食べると血糖値がはね上がりますが、それを下げるためにインシュリンが分泌されるため、今度は急に血糖値が下がります。
そんなことをくり返していると低血糖をおこしやすくなり、そのために余計に甘いものが欲しくなります。この悪循環は糖尿病につながるだけでなく、さらに体と脳をおかしくしていきます。
(詳しくは低血糖症・血糖値スパイクのページをご覧ください)
栄養不足(タンパク質・ビタミン・ミネラル不足)
インスタント食品、ラーメン、コンビニのお弁当などで食事をすませてしまう子供さんも多いです。
先の低血糖・血糖値スパイクでも書いていますが、「コンビニ」で売っているものを思いうかべてみてください。
ほとんどが、糖質や炭水化物です。
この、飽食の時にあって、実は「栄養失調」の子どもがとても多くなっています
ご飯・麺・パン・お菓子・ジュースでお腹をいっぱいにしていると、血液・骨・筋肉・皮膚・髪・皮膚などの身体を構成する成分をつくることができなくなります。
しっかりとタンパク質をとらないと、身体を成長させることもできません。
人間は、食べたものを消化し、吸収し、さらに、その栄養素を再合成して、身体に必要なものをつくりだしています。
栄養素を分解し、再合成する時に、ビタミンが必要です。
ビタミンがないと、エネルギーをつくりだすこともできないし、成長するために必要なホルモンや脳細胞、骨、皮膚などもつくりだすこともできません。
ミネラルは、血液の赤血球や骨をつくる材料というだけでなく、体の機能を維持したり調節する役割もあります。例えば、亜鉛は味覚や嗅覚を正常にしたりするはたらきがあります。生命活動を維持するうえでとても大事な栄養素です。
からだは食べるものでできています。
不登校や引きこもりと「食生活」は、とても関連しているのです。
胃腸がもともと弱い
もうひとつよく見られるのは、不登校や朝起きられない人は胃腸がもともと強くないということです。甘い物、油っこい物、スナック菓子をたくさん食べると胃腸に負担をかけ、アレルギーや朝起きにくい原因になりますが、それほど食べていない人でも、もともと胃腸が弱い人はやはり朝も起きにくくアレルギーにもなりやすいです。
家族で同じものを食べているのに、なる人とならない人がいるのは胃腸の強さの違いもあるでしょう。
結局、不登校や朝起きられない症状を解決するには
- 食べるものや飲むものに気をつける。
- 低血糖・血糖値スパイクを改善する。
- 脳血流を良くしながら、脳に栄養を与える。
- 胃腸を強くし、免疫のバランスを整える。
- 低血圧を改善する。
- ビタミンやミネラルを補給する
3~6は漢方薬をおすすめしますが、食べたり飲んだりするものはご自分で気をつけていただかなくてはいけません。
2の低血糖・血糖値スパイクは体への影響が深刻です。これは、食事の改善なくして良くなることはありません。
身体は食べるものでつくられていますから、まず何よりも、食生活の改善がとても重要です。
不登校・引きこもり お悩みの方はご相談下さい
すずらん健康館では、現在の食生活や、生活のパターン、身体の状態などを詳しくお伺いし、いったい身体の中で何が起こっているのかを、わかりやすく説明いたします。
何を、どのように改善したらよいのか?
足りないものがあれば、どうやって補充するのか?
過剰なものはどうやって減らしていくのか?
など、今日からできる方法を具体的に指導し、漢方を中心としたお勧めの方法をご紹介します。病院の薬とも併用できるので安心です。
「今よりも少しでも良くなりたい」
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とお考えの方、是非一度ご相談ください。
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