梅雨の養生法|湿気に負けない体をつくる東洋医学の知恵
2025年05月28日
こんにちは。
雨の多い季節、体調がすぐれないと感じることはありませんか?
梅雨は「じめじめして不快」という感覚だけでなく、体の内側にもさまざまな変化をもたらす季節です。
東洋医学ではこの時期を、「湿邪(しつじゃ)」が盛んになる季節と捉えます。
今回は、梅雨の体調不良を予防し、日々を快適に過ごすための養生法(=東洋医学に基づいた生活術)
をご紹介します。
梅雨に体調を崩しやすい理由
湿気が身体に与える影響とは?
東洋医学では、自然界の気候の変化は体の状態にも深く影響すると考えます。
梅雨時期は「湿邪(しつじゃ)=過剰な湿気」が体に入り込みやすく、
特に次のような影響をもたらします
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体の中に余分な水分がたまりやすい(=むくみ、重だるさ)
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消化機能が弱りやすい(=食欲不振、下痢、胃もたれ)
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気の巡りが悪くなる(=気分の落ち込み、やる気の低下)
つまり、梅雨の不調は単なる気分の問題ではなく、体の水分代謝やエネルギー循環の乱れが原因なのです。
養生法①|「食事」で体の中の湿をさばく
なぜ食事が大切なのか?
東洋医学では、「脾(ひ)=消化器系」が湿に弱いとされており、梅雨の時期はこの「脾」の働きが最もダメージを受けやすい季節です。脾が弱ると、食べたものからうまくエネルギー(気)を作り出せず、体はだるく、内臓は重く感じます。
具体的な食材と理由
分類 | 食材例 | 効果・解説 |
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湿を 出す |
はとむぎ、小豆、とうもろこし、冬瓜、きゅうり | 体内の余分な水分を排出し、むくみを防ぐ |
胃腸を 温める |
しょうが、ねぎ、紫蘇、山椒 | 胃腸の冷えを防ぎ、消化機能を守る |
気を巡らせる |
陳皮(みかんの皮)、香菜、セロリ | 気の滞りを改善し、やる気や集中力を高める |
📝 おすすめの料理:はとむぎ入りの雑穀ご飯、小豆とかぼちゃの煮物、冬瓜のスープ、
生姜入り味噌汁
控えたい食事
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冷たいもの(アイス、冷やし麺、冷たい飲料)
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生もの(刺身、冷奴など)
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脂っこい揚げ物、甘すぎるスイーツ
これらはすべて「湿」を体内にため込み、消化機能をさらに弱めてしまう要因になります。
養生法②|「運動」で気と水の流れを促す
なぜ動くことが必要?
梅雨の不調の多くは「流れの停滞」から来ています。
体を動かさずにいると、湿も気も血も滞り、だるさや不安感が強くなります。
雨で外に出づらい日でも、室内で軽く汗ばむ程度に体を動かすことが重要です。
おすすめの運動
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ラジオ体操(全身の気の巡りを整える)
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ヨガ(特にツイストや前屈系で内臓を刺激)
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太極拳・気功(気の巡りを高める動き)
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ふくらはぎや太ももを意識したストレッチ(湿を下へ押し出す)
💡運動の前に深呼吸を3回ほど繰り返すと、気の巡りがよくなります。
養生法③|生活環境を「除湿・乾燥」して整える
なぜ環境が大事?
体が湿に弱いように、住まいの環境も湿気がこもると、カビやダニが発生し、アレルギーや呼吸器トラブルの原因になります。見えない「外部の湿気」も体のストレスとなりうるのです。
【湿邪対策としてできること】
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換気は1日2~3回、10分ずつでもOK
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エアコンの除湿機能を使う(設定湿度は60%以下がおすすめ)
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布団はこまめに干す or 布団乾燥機を活用
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湿気がたまりやすい玄関、風呂場、クローゼットには除湿剤を配置
養生法④|ぬるめのお風呂で「湿気」「ストレス」を流す
梅雨時期はシャワーで済ませる人が多いですが、湯船につかることは湿を抜く重要なセルフケアです。
【入浴の工夫】
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お湯の温度は38~40℃で10~15分
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生姜・よもぎ・ミントなどの天然素材の入浴剤を使う
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入浴後に白湯を飲むことで内臓の冷えを防ぐ
🌿よもぎ湯は湿を取り、血の巡りもよくするので特におすすめです。
養生法⑤|心のケアと自律神経の整え方
梅雨に起きやすい心の不調とは?
低気圧が続くと自律神経が乱れやすくなります。特に交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、眠れなかったり、逆に昼間にだるくなったりします。
【メンタル養生の実践】
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朝はカーテンを開けて自然光を浴びる(セロトニン分泌)
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「やらなきゃ」を減らし、リラックス優先で過ごす
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不安やストレスは紙に書き出して整理する
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アロマ(柑橘系・ラベンダーなど)で気分を切り替える
補足|漢方薬でのサポート
不調が強いときは、漢方薬のサポートも有効です。
体質に合ったものを選ぶことが重要なので、以下はあくまで一例です。
症状 | 漢方薬 | 期待される効果 |
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むくみ・だるさ | 五苓散(ごれいさん) | 利水・頭重や倦怠感の緩和 |
胃腸の不調 | 六君子湯(りっくんしとう) | 胃もたれ・食欲不振の改善 |
気分の落ち込み | 香蘇散(こうそさん) | 気の巡り改善・メンタルサポート |
まとめ|湿をさばき、気を巡らせることが梅雨の養生の基本
体と心は、自然とともに変化します。梅雨という季節に無理に逆らうのではなく、
「湿をためない」「気を停滞させない」ことを意識して過ごすだけで、体調は大きく変わります。
✔ 食事で脾胃を守る
✔ 軽い運動と深呼吸で巡りを良くする
✔ 湿気を避け、環境と心を整える
この7つの養生法を、ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね。
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このブログは武蔵境にあります、すずらん健康館の遠藤綾華(薬剤師)が書きました。
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