すずらん健康館の考え方
漢方で、痛みは「不通則痛」と言われ、基本的な原因として「血・水・気の流れが悪い」とされています。
血の流れが悪いことなどを「瘀血(おけつ)」と言います。
血が滞る原因は・・・
・血栓や圧迫などで血管が塞がれ血流が悪くなる
・血の流れる勢いが弱い(低血圧の方に多い)
・流れる血液の量が少ない
・冷えやストレスで血管が収縮している
など、様々です。
水の流れが悪いことなどを「水毒」と言い、「むくみ」や「水が滞る」ことでも痛みがでます。
皮下の水が神経を圧迫することで、シビレ感がでます。
筋肉内の水が滞ると、重だるい感じや、筋肉の痛み、関節の痛みも発生します。
気の流れが悪いことは「気滞」と言い、全ての流れの悪さの根本的な原因にもなります。
痛みの根本的な原因がストレスにあったりする場合は、これに当たります。
その他に、「冷え」も痛みの原因になります。
下肢を冷やすと、下肢の血液が冷やされて、冷えた血液が体の内部を冷やしてしまいます。
腰痛・筋肉痛・神経痛などの痛みの原因が「冷え」である方も多いです。
こうした、
・血の滞り
・むくみや体内の水の滞り
・気の滞り
・冷え
は、単独で起こっているではなく、複雑にからみあっています。
単に痛みと言っても、ピリピリ痛む?重だるい痛み?キリキリした痛み?張ったような痛み?など、いろいろな痛み方がありますので、これらも原因を探る情報源になります。
西洋医学の薬は、炎症をしずめたり、痛みのシグナルが過度に伝わるのを抑えたりしますが、痛みが起きる根本原因になっている「体の状態」を改善することはできません。
特に、解熱鎮痛剤は「解熱」ですから、身体を冷やす作用があります。
正常な熱はそれほど下げませんが、長期間薬を飲み続けると、確実に身体は冷えてきます。
冷えると血管は収縮しますので、血流はますます悪くなります。
もちろん、炎症が激しく痛みが強い場合は、短期間でしたら「鎮痛剤」を使うことは問題ありません。
女性の場合は、生理によって出血、ホルモンの変化、それによる自律神経の変化がありますので、生理周期と痛みが深く関係していることがあります。
病気の後やや産後は、体に活力やエネルギーがないので、痛みを生じやすいかもしれません。
血圧が低い場合も、血流を確保できずに痛みの原因になりやすいです。
実は、低血圧は様々なトラブルの原因になるのです。
低血圧のページもお読みください
朝1番の体温が低い方(36.0℃以下)は、熱を生み出す力が減っています。この場合も痛みが出やすいです。
慢性疼痛については、
・性別
・年齢
・食べているもの
・生活習慣
・ストレスの具合
・運動量
・既往歴
など、様々な情報をもとに、1つ1つ原因を探り、必要な対策を考えていきます。
慢性疼痛でお悩みの方、ぜひご相談ください
人間の体はすべてが連携して動いています。「痛みがある部位」だけに問題があることは少ないです。
西洋医学は、臓器をバラバラにして、その部分だけを診る傾向があります。
大きな病院に行くと、様々な「診療科」がありますが、それは、臓器をバラバラに診ているということです。
しかし、もっと体全体がどうなっているかを確認しないと、根本の原因を解決することはできません。
漢方の「全人的」なものの見方を取り入れて病気を眺めてみると、「痛い場所」以外のところに原因があることが見えてきます。
西洋医学の薬では、一時的に「痛み」を取ることはできますが、根本の原因を解決することができません。(西洋の薬については、下記を参照してください)
痛み止めを長期間飲むと、副作用で体調を崩してしまう場合もありますので、使い方には注意が必要です。
すずらん健康館でお勧めしている方法は、漢方を使って「血の滞り」「水の滞り」「気の滞り」「冷え」などを改善し、痛みを取り除いていきます。
食事指導や、生活習慣の指導も行います。
お勧めしている漢方は、病院の薬とも併用できますし、小さなお子さんや妊娠中の方もお使いになれます。
慢性疼痛でお悩みの方、
「今よりも少しでも良くなりたい」
「もしかして治らないかもしれない」とお考えの方、是非、一度ご相談ください。
では、慢性疼痛について、詳しくお話しいたします。
慢性疼痛とは
慢性疼痛とは「急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛み」のことを言います。
3〜6ヶ月痛みが続くと慢性疼痛と診断されます。
要するに、傷が治っているにもかかわらず、痛みだけがずっと続いている状態です。
「痛みのために仕事や学校、家事を休んだ事がある」という方が多く、痛みが日常生活に悪影響を及ぼしてしまいます。
通常の痛みは、ケガや打撲などにより、神経にあるセンサーが刺激や炎症を察知し脳に信号が送られて感じます。
この通常の痛みは、傷が治ったり、炎症がおさまると改善します。
しかし、神経そのものが傷ついたり、神経の周辺に炎症が起こったりすると「神経障害性疼痛」となり、痛みが長期化します。
痛みが長期間続くと、ストレスで脳に痛みが刻みこまれ「心因性の痛み」となり、うつ状態になってしまう方もいます。
西洋医学の治療
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ロキソニン・ボルタレンなどの解熱鎮痛剤。 長期間の服用で、胃に障害が出ることがあります。 |
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炎症がとても強い場合に使用。 さまざまな副作用があるので、安易に長期間は処方されません。
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脳に痛みが伝わるのを妨げたり、痛みをやわらげる命令を増強する働き。 『トラムセット』や『ワントラム』という解熱鎮痛薬アセトアミノフェンと弱オピオイド薬を配合した合剤もあります。 胃腸障害が少なく、長期連用が可能な薬として期待されています。 慢性疼痛の患者さんは、長期連用しても依存症にはなりません。
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神経障害性疼痛は、炎症のために神経が非常に過敏になり、少しの刺激でも神経細胞が過剰に興奮して痛みを感じるため、使われます。 「プレガバリン」は神経の過剰興奮を抑えて痛みを和らげる作用があります。 |
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痛みの原因となる神経や神経の周辺に、局所麻酔薬を注射して痛みの信号が脳に伝わることを遮断。 星状神経節ブロック・硬膜外ブロック・トリガーポイントブロックなどがあります。 |