すずらん健康館の考え方
リウマチ(RA 関節リウマチ)は、痛みがつらい病気です。
リウマチを根本的に治していくには、副作用なく免疫システムを正常化すること、そして炎症を鎮めることを同時に行うことが重要になります。また病院の薬は副作用がきついので、副作用対策も大切です。
すずらん健康館では体に負担の少ない方法をご紹介しています。
若年性特発性関節炎(JIA)のお子様や、妊娠中の方にもお勧めです。
リウマチでお悩みの方、ご相談下さい
病院でのリウマチ治療は、リウマチの進行を止める薬、炎症や痛みを抑える薬が中心で、根本治療ではありません。そして副作用も気になります。
特に、免疫力をさげてしまう薬は、感染症にかかりやすいので、とても注意が必要です。
リウマチの根本治療として、そして、病院の薬を飲んでいる方は副作用を減らすためにも、お勧めの方法をご紹介します。
体の冷えがきつい方は、体を温める漢方をお勧めすることもあります。普段から体を冷やさないように気をつけましょう。
病院の薬とも併用できますし、今まで多くの方が改善なさっています。
どうぞ、遠慮なくご相談ください。
それではリウマチについて、具体的にご説明します。
リウマチとは
リウマチ(関節リウマチ)とは 、関節の内面をおおっている滑膜という膜に炎症が起こり、進行すると軟骨や骨が壊れて関節が動きにくくなり、放っておくと関節が変形してしまう病気です。
腫れや激しい痛みがあり、関節を動かさなくても痛むのが、他の関節の病気と違うところです。
手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状がでるのが特徴的です。一般的に右半身の関節に症状が出ると、左半身の同じ箇所の関節にも症状がでます。
このような症状の出方を「左右対称性」といいます。関節リウマチに限らず、左右対称に症状が出る場合は、体の中に問題があることが多いです。
その他にも発熱や疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。
日本で関節リウマチの患者さんは、60〜70万人いるといわれています。この病気にかかるのは主に女性で(男性約5倍)、30〜50代で最も多く発症します。
関節の腫れや痛みがひどくなくても、関節の内部では炎症が続き、関節破壊が進行していることもあります。
関節の痛みや腫れ、朝起きてからしばらく「手を動かしにくい、足がうまく動かない」という、朝のこわばりとよばれる症状や、疲れやすい、だるいといった症状が続き、「もしかしてリウマチかも」と感じたら早目に病院を受診なさってください。
リウマチかどうかで、ご紹介する治療方法が変わる可能性があります。また関節が一度変形してしまうと、それを治すのは難しいです。そのためやはり早目の治療をお勧めします。
リウマチの種類
「リウマチ」といっても、関節リウマチだけではなく、「リウマチ性疾患」全体(4種類)を指すことがあります。「リウマチ性疾患」とは、関節や筋肉に痛みやこわばりを来す病気全体のことです。関節リウマチは、自己免疫疾患の一つである膠原病に含まれます。
- 変性による関節症・・・・変形性関節症など
- 代謝性疾患・・・・痛風性関節炎など
- 軟部組織の炎症・・・・・腱鞘炎、筋肉痛など
- 膠原病、自己免疫疾患・・・関節リウマチ、シェーグレン症候群など
リウマチの原因
私たちの体には、ガンや細菌などの異物を攻撃して身を守る免疫と、体内で過剰反応を起こさないようにブレーキを踏む免疫の二つがあります。
この2種類の免疫がうまくバランスをとって、
私たちの体を守っています。
免疫のバランスを崩して過剰反応を起こした結果、
自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気を
自己免疫疾患と言います。
関節リウマチで関節が腫れたり痛みが出たりするのは、免疫が関節部分を攻撃し、炎症が起こるからです。その炎症が続くと、関節の周囲を取り囲んでいる滑膜が腫れ上がり、さらに炎症が悪化して、骨や軟骨を破壊していきます。
リウマチの炎症が進行すると、滑膜組織からインターロイキン6 (IL-6 )などの炎症性サイトカイン (炎症を起こす物質 )がどんどん増えて、さらに炎症を悪化させます。
インターロイキン6を抑える働きを持つ医薬品に、トシリズマブ(商品名アクテムラ)があります。ただこの薬はよく効く反面、副作用で免疫を下げ過ぎて感染症にかかりやすくなったり、間質性肺炎などが発症するという報告が多いです。
普通は感染症にかかると、炎症の程度を表すCRPなどが上昇しますが、「アクテムラ」は炎症を強力に抑制するため、炎症がわかりにくくなります。
軽いかぜだと思って放置していると重症化することも考えられますので、アクテムラの点滴や注射を受けておられる患者さんは十分お気をつけください。
骨には骨を作る骨芽(こつが)細胞と、骨を壊す破骨(はこつ)細胞があります。 そしてこの2つの細胞が、毎日少しずつ骨を作り変えているのです。炎症性サイトカインは、骨を壊す役割をもつ破骨細胞の働きを活発にするので、壊れる骨の量が増えてしまいます。その結果、骨や軟骨がどんどん壊れて関節が動かせなくなったり、変形したりします。
また炎症は関節だけでなく、目や肺などの全身に拡がることもあります。
自己免疫疾患は、全身に症状が出る全身性自己免疫疾患と、特定の組織や臓器だけに症状が出る臓器特異的疾患の2種類に分けることができます。
関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)に代表される膠原病は、全身性の自己免疫疾患です。臓器特異的疾患には、潰瘍性大腸炎やベーチェット病、橋本病などがあります。
関節破壊のステージ
関節破壊は4段階のステージに分かれます。
ステージⅠ | 全く骨の変形がない状態 |
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ステージⅡ | ごく初期の関節変形がみられる状態 |
ステージⅢ | 関節と関節の隙間はほとんどなく、くっつきかけているのがみえる状態 |
ステージⅣ |
関節の隙間がなく、ほぼ完全に関節がくっついてしまっている状態 |
機能障害進行度
関節リウマチが進行すると生活にも支障をきたします。生活の機能障害をクラス分けしたのが関節リウマチの機能障害の進行度です。
クラス1 | 全く生活に影響がなく、健康な方とほぼ同様に生活や仕事ができる状態 |
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クラス2 | 関節の痛みによって多少生活に影響があるが、普通の生活ができる状態 |
クラス3 | 日常生活の様々な場面で影響がある。身の回りのことは何とかできるが、外出時などには介助が必要な状態 |
クラス4 | 多くの生活が困難。ほとんどの方が完全に車椅子や寝たきりで、身の回りのことが自分ではほとんどできない状態 |
リウマチと血液検査
血液検査では、以下の数値に注意してください。
- RF:リウマトイド因子(リウマチ因子)
健康な人でも1~5%で陽性になります。リウマチの方でも5%の方は陰性です。またリウマチ因子が陽性に出ないリウマチの方もいますので、あくまでも目安です。
- 抗CCP抗体
関節リウマチの確定診断に、一番使用する検査です。これが陽性になると、関節リウマチである可能性が高くなります。
- CRP
炎症の程度を示すものです。リウマチに限らず、体に炎症が起こると増加するので、風邪をひいても高くなります。炎症が強いとリウマチの勢いも強くなるので、CRPを上げないことが重要です。CRPが低ければ、リウマチの勢いも弱いです。
- MMP-3
関節内の炎症が強いと増加します。MMP-3は関節リウマチ以外の膠原病でも上昇することが多いです。関節の炎症や関節破壊のマーカーであり、治療効果判定に役立ちます。
西洋医学によるリウマチの治療
病院でのリウマチの治療は、根本治療というよりも炎症を起こさないようにする対症療法です。そして治療の目的は、治すというよりも、症状をコントロールすることにあります。うまくコントロールできて、リウマチの症状や兆候がほとんど消えて落ち着いた状態を、寛解(かんかい)と呼んでいます。
【非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)】
痛みや発熱、炎症を改善する効果がある薬です。炎症を軽くする効果はありますが、炎症の進行や関節がこわれていくのを防ぐ効果はありません。
【ステロイド】
炎症をすみやかにおさえますが、関節リウマチそのものを治すことはできません。他の薬の効果が得られないときや効果があらわれるまでの間、妊娠や副作用の理由で他の薬を使えないときなどに使われます。
【抗リウマチ薬(DMARDs)ディーマーズ】
炎症自体をおさえるのではなく、免疫の異常を調節して病気のいきおいをおさえます。異常な免疫機能に作用する「免疫調節薬」と、すべての免疫機能をおさえる「免疫抑制薬」の2種類があります。関節リウマチ治療の基本的な薬です。
【生物学的製剤】
リウマチの原因になる細胞や遺伝子をおさえる目的で開発され、生きた細胞が作るタンパク質の薬を生物学的製剤とよび、特定の細胞の表面上や血中で作用します。炎症のもととなるTNF-αやIL-6といった特定のサイトカインの働きをおさえる「サイトカイン阻害薬」と、T細胞の働きをおさえる「T細胞阻害薬」の2種類があります。
【低分子の分子標的薬】
免疫に関わる細胞の中に入りこみ、標的とした分子の働きをおさえることで炎症反応をおさえます。